不動産会社の集客は「来店型」と「相談型」でSEO・MEOを使い分ける
不動産会社のWeb集客を考える際、「SEOとMEOのどちらを優先すべきか」と迷う経営者や担当者は少なくありません。
しかし、不動産会社は、SEOかMEOかを会社単位で決めるべきではありません。賃貸仲介の来店予約と、不動産売却の査定依頼、賃貸管理のオーナー相談では、ユーザーの検索行動や検討期間が異なるからです。
本記事では、不動産会社への反響を、店舗への訪問を前提とする「来店型」と、専門性や実績を確認してから問い合わせる「相談型」に分け、SEOとMEOをどのように使い分けるべきか解説します。
目次
不動産会社のSEO・MEOは反響の種類から考える
「来店型」と「相談型」は、Googleが定めた正式な分類ではなく、LAUNCが不動産会社の集客経路を整理するために用いる考え方です。施策名から考えるのではなく、最終的に獲得したい反響から逆算します。
来店型は店舗への距離と評判が判断材料になる
来店型は、店舗への訪問や対面相談につながる反響です。賃貸仲介の部屋探しや、近隣店舗への物件相談などが該当します。
ユーザーはポータルサイトで物件を調べた後、「〇〇駅 不動産会社」「近くの不動産屋」のように検索し、相談する店舗を探すことがあります。その際、店舗までの距離、営業時間、外観、店内の雰囲気、口コミ、担当者の対応などが判断材料になります。
全宅連の2025年調査では、不動産店を選ぶ際に最も重視する項目は「担当者」が22.4%、次いで「ネット情報や口コミなどでの評判」が19.7%でした。「自宅から近い」は7.6%であり、近さだけでなく、人や評判も含めて選ばれていることが分かります。
来店型では、Googleマップ上で店舗を見つけてもらうだけでなく、「この店舗なら相談しやすそう」と判断できる情報を整える必要があります。
参考URL:【全宅連・全宅保証】不動産の日アンケート調査結果『2025年住宅居住白書』公表
相談型は専門性と実績の確認期間が長い
相談型は、店舗へ直接行くことより、まず自分の課題を相談できる会社か確認する反響です。
代表的なものとして、不動産売却、相続不動産、空き家、住み替え、賃貸管理、管理会社の変更などが挙げられます。
たとえば、相続した家を売却したいユーザーは、「近くの不動産会社」だけでなく、次のようなキーワードで情報を探します。
- 〇〇市 相続不動産 売却
- 〇〇市 空き家 査定
- 相続登記前 不動産売却
- 管理会社 変更 相談
- アパート 空室対策
相談型では、ユーザーが抱えている事情が複雑です。店舗情報や口コミだけでは判断できないため、自社サイトで対応分野、過去の事例、担当者、相談の流れ、費用などを確認してから問い合わせます。
このような反響では、MEOだけでなく、悩みや地域名に対応するSEOコンテンツの比重が高くなります。
同じ会社でも事業ごとに検索行動が異なる
賃貸・売買・管理を扱う不動産会社の場合、会社全体でSEOかMEOの一方を選ぶと、事業ごとの検索行動に対応できません。
| 事業 | 主な反響 | MEOの役割 | SEOの役割 |
|---|---|---|---|
| 賃貸仲介 | 来店・物件相談 | 店舗比較、電話、経路検索 | 駅・地域・条件別の物件検索 |
| 住宅購入 | 内見・購入相談 | 店舗と担当者の信頼確認 | エリア、物件種別、購入知識 |
| 不動産売却 | 査定・売却相談 | 会社の実在性、評判の確認 | 売却、相続、空き家などの課題対応 |
| 賃貸管理 | オーナー相談 | 会社情報、管理実績の確認 | 空室、管理会社変更などの課題対応 |
まず、自社が増やしたい反響を「来店型」と「相談型」に分けます。そのうえで、検索から問い合わせまでに必要な情報を洗い出すことが重要です。
来店型の賃貸仲介ではMEOを早めに整える
駅や店舗の近くで不動産会社を探すユーザーに対しては、Googleビジネスプロフィールを活用したMEOが重要です。ただし、プロフィールを登録しただけで成果が出るわけではありません。
Googleマップを相談する店舗を選ぶ場として整える
Googleによると、ローカル検索結果は主に「関連性」「距離」「知名度」の組み合わせで決まります。事業者が料金を支払って順位を上げることはできません。
不動産会社の場合、検索地点から店舗までの距離だけを改善することは困難です。そのため、検索内容との関連性や、地域での知名度につながる情報を整えることが重要になります。
Googleビジネスプロフィールには、次の内容を正確に掲載します。
- 会社名・店舗名
- 住所・営業時間・電話番号
- 賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理などの事業内容
- 店舗の外観・入口・相談スペース
- 担当者やスタッフの写真
- 対応エリア
- 来店予約ページ
- 公式サイトの店舗ページ
「不動産会社」とだけ登録するのではなく、ユーザーが何を相談できる店舗なのか分かる状態を作りましょう。
参考URL:Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント
口コミと写真で来店前の不安を減らす

不動産店は、飲食店のように商品写真だけで比較される業種ではありません。ユーザーは「強引に契約を勧められないか」「希望を聞いてもらえるか」「初めてでも相談しやすいか」といった不安を抱えています。
そのため、物件写真だけでなく、店舗の入口、相談スペース、担当者、接客時の雰囲気が分かる写真を掲載します。
口コミにも返信し、感謝だけで終わらせず、どのような相談に対応したのかが伝わる内容にします。ただし、顧客の個人情報や取引内容を無断で公開してはいけません。
Googleビジネスプロフィールでは、写真や動画の掲載、口コミへの返信、Webサイトや予約リンクへの誘導が可能です。
物件検索はポータルサイトと自社サイトに役割を分ける
賃貸仲介では、すべての物件検索を自社サイトだけで獲得しようとすると、大手ポータルサイトと掲載数や更新頻度で競うことになります。
ポータルサイトは、多数の物件を比較したいユーザーとの接点として活用します。一方、自社サイトとMEOでは、地域に詳しい担当者、相談のしやすさ、得意な物件、来店後の対応などを伝えます。
- ポータルサイト:物件との接点を増やす
- MEO:相談する店舗の候補に入る
- 自社サイト:店舗や担当者を詳しく知ってもらう
- 来店ページ:予約や問い合わせにつなげる
ポータルサイト、MEO、SEOを競合する施策として考えず、来店までの異なる段階を担当させることが重要です。
相談型の売却・管理オーナー獲得ではSEOを重視する
売却査定や賃貸管理の相談では、店舗の近さだけで会社が選ばれるとは限りません。ユーザーの課題に対応する情報を自社サイトへ蓄積し、専門性と地域理解を示します。
不動産売却では地域名と悩みを組み合わせる
不動産売却では、「〇〇市 不動産会社」だけでなく、売却理由や物件の状態を反映した検索が行われます。
たとえば、次のようなテーマです。
- 〇〇市 不動産売却
- 〇〇市 空き家 買取
- 〇〇市 相続不動産
- 古い家 売却 解体
- 住宅ローンが残っている家 売却
- 離婚 不動産売却
地域別の売却ページを受け皿として用意し、相続、空き家、住み替えなどの課題記事から内部リンクでつなぎます。
地域名だけを変更したページを量産するのではなく、地域の取引傾向、物件種別、査定事例、担当者、相談方法など、その地域固有の情報を掲載することが必要です。
賃貸管理ではオーナーの経営課題を入口にする
賃貸管理の見込み客は、必ずしも最初から「管理会社を変更したい」と検索するわけではありません。
空室が埋まらない、修繕費が増えた、担当者から連絡がない、管理内容が分かりにくいといった課題を調べるなかで、管理会社の変更を検討します。
そのため、次のようなキーワードに対応します。
- アパート 空室対策
- 管理会社 対応が悪い
- 賃貸管理会社 変更
- 管理委託費 相場
- アパート管理 どこまで
- 地域名 賃貸管理会社
記事で課題を整理した後、管理サービス、対応地域、管理実績、相談ページへ案内します。検索流入を増やすだけではなく、オーナーが相談を決断できる導線が必要です。
実績・担当者・相談の流れで信頼を補強する
相談型のユーザーは、記事を読んだだけで査定や管理を依頼するとは限りません。会社の信頼性を確認するために、運営会社、担当者、実績、口コミなど複数のページを見ます。
全宅連の調査でも、不動産店選びでは担当者やネット上の評判が重視されています。さらに、担当者に期待することとして「分かりやすい説明」や「デメリットも含めて情報を伝えること」が挙げられています。
相談型のページには、次の情報を設置します。
- 担当者の名前・顔写真・経験
- 対応できる相談内容
- 地域での取引・管理実績
- 査定や管理相談の流れ
- 費用や契約条件
- メリットだけでなく注意点
- 電話・フォーム・オンライン相談
専門的な記事から担当者紹介や事例へ移動できるようにし、「誰に相談できるか」まで伝えることが大切です。
SEOとMEOを一つの問い合わせ導線につなげる
SEOとMEOを別々の担当者や会社が運用すると、掲載情報や訴求が一致しないことがあります。検索結果から問い合わせまでを一つの導線として設計しましょう。
Googleマップから事業別ページへ誘導する
Googleビジネスプロフィールのリンク先を、すべて会社トップページに統一する必要はありません。
店舗や事業内容に応じて、ユーザーが求める情報へ到達しやすいページを用意します。
- 賃貸仲介:店舗ページ・来店予約
- 売買仲介:購入相談・対応エリア
- 不動産売却:地域別売却ページ・査定
- 賃貸管理:オーナー向け管理相談
自社サイト側では、店舗名、住所、電話番号、営業時間などをGoogleビジネスプロフィールと一致させます。
LocalBusiness構造化データを用いて、各拠点の名称、住所、電話番号、営業時間などを検索エンジンへ伝える方法もあります。ただし、構造化データを実装しただけで上位表示が保証されるわけではありません。
参考URL:
https://developers.google.com/search/docs/appearance/structured-data/local-business?hl=ja
順位ではなく反響の種類と成約まで計測する
SEOは検索順位、MEOはGoogleマップ順位だけで評価されがちです。しかし、経営上重要なのは、どの施策からどの反響が発生し、契約につながったかです。
| 施策 | 確認する指標 |
|---|---|
| SEO | 表示回数、流入、査定依頼、管理相談 |
| MEO | 電話、経路検索、Webサイト遷移、来店予約 |
| ポータルサイト | 物件問い合わせ、来店、成約 |
| SNS | 指名検索、プロフィール遷移、相談 |
| 全体 | 反響単価、商談率、成約率、売上 |
問い合わせフォームには、売却、購入、賃貸、管理などの相談種別を設けます。顧客管理表にも流入経路を記録し、反響数だけでなく成約まで追跡しましょう。
事業構成に応じて毎月の優先施策を変える
SEOとMEOの配分に、すべての不動産会社へ共通する正解はありません。
賃貸仲介の繁忙期前であれば、店舗情報、写真、口コミ、来店予約を優先します。相続や空き家の相談を増やしたい場合は、地域別売却ページや課題記事、査定導線を改善します。
毎月同じ作業を続けるのではなく、事業目標と検索データに応じて優先施策を変更することが重要です。
LAUNCでは、SEO、MEO、コンテンツ、広告、SNSを分断せず、短期的な反響獲得と中長期的な集客基盤づくりを並走できます。
不動産会社のSEO・MEOに関するよくある質問
一店舗でも複数地域のMEO対策はできますか?
一つの実店舗に対して、地域ごとに架空のGoogleビジネスプロフィールを作成することは避けるべきです。Googleビジネスプロフィールを掲載できるのは、原則として営業時間内に顧客と直接対応する事業です。
一店舗で複数地域に対応する場合は、実店舗のプロフィールを正しく運用し、自社サイトに市区町村・駅・学区などの地域ページを設けます。
売却査定を増やすならSEOとMEOのどちらが重要ですか?
売却査定では、検索ユーザーが相続、空き家、住宅ローンなどの課題を調べるため、SEOの比重が高くなります。
ただし、問い合わせ前にGoogleマップの口コミや店舗情報を確認する可能性があります。SEOで相談の入口を作り、MEOで会社の実在性や評判を補強する設計が適しています。
賃貸・売買・管理を同じページで訴求してもよいですか?
会社概要やトップページでは、複数事業を掲載して問題ありません。一方、集客ページでは検索意図が異なるため、賃貸、購入、売却、管理を分けることをおすすめします。
それぞれに対応地域、実績、担当者、よくある相談、問い合わせ方法を用意すると、ユーザーが自分に必要なサービスを判断しやすくなります。
まとめ|不動産会社は反響の種類に合わせてSEO・MEOを配分する
不動産会社の集客では、SEOとMEOのどちらか一方を選ぶのではなく、獲得したい反響から役割を決めることが重要です。
賃貸仲介などの来店型では、Googleビジネスプロフィールを整え、店舗、担当者、口コミ、来店予約の情報を充実させます。
不動産売却や賃貸管理などの相談型では、地域名とユーザーの課題を組み合わせたSEOコンテンツを用意し、実績、担当者、相談の流れを通じて信頼を形成します。
まずは、現在の問い合わせを「来店型」と「相談型」に分け、どの事業の反響を増やしたいか整理しましょう。そのうえで、SEO、MEO、ポータルサイト、広告を一つの問い合わせ導線として設計することが、地域密着型不動産会社の安定した集客につながります。
この記事の監修者
2021年から続くSEO戦略をサポートする専門チームの編集部です。web集客を支える中小企業や小規模事業者がトライすべきSEO戦略をコラムで発信いたします。